大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)5304 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人植田夏樹の上告趣意第一点について。

論旨援用の判例は、「事務管理とは義務なくして他人の為めに法律行為又は事実

行為を処理するの謂」であると判示しており、原判決は、被告人とAとの間に仮り

に委託関係を認め得ないとすれば「右和傘販売の行為は正に民法に所謂事務管理に

該当すべく」と述べている。彼此照らして合わせてみれば、原判決が前記判例に反

するような何等の判断をも示すものでないこと明らかである。それ故所論判例違反

の主張は理由がない。のみならず、原判決は被告人とAとの間に委託関係あること

を認めた上で、仮定的に事務管理のことに言及しているに過ぎないのであるから、

仮りにこの場合事務管理が成り立ち得ないとしても、横領罪が成立するという結論

に何等の影響もない。同第二点について。論旨は事実誤認の主張に帰し適法な上告

理由とならない。また記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべきものとは認めら

れない。よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。この判決は、裁判官全員

一致の意見である。

昭和二九年三月九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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